近年、女性の健康に焦点を当てた取り組みが注目されています。その中でも、”フェムケア”と”フェムテック”という言葉が頻繁に聞かれますが、これらは一体何なのでしょうか？本記事では、フェムケアとフェムテックについての基本から、女性特有の健康課題、企業における導入メリット、そして効果的な取り組みについて解説したいと思います！
なぜフェムケアとフェムテックが注目されているのか？
高まる女性の健康意識
女性特有の健康課題って？
会社に取り入れるメリット
どのような取り組みが効果的なの？
なぜフェムケアとフェムテックが注目されているのか？
フェムケアは、女性の健康に関連したケアやサポートを指す用語です。これには女性特有の健康課題に対処するためのケアや情報提供、月経やPMS、妊娠・出産のサポート、セクシャルウェルネス、メンタルヘルスの支援などが含まれます。フェムケアは、女性が生涯を通じて健康で幸福な生活を送るために必要なヘルスケアをトータルもしくは一部分的にカバーするアプローチのことです。
一方、フェムテックはテクノロジーを活用して女性の健康とウェルビーイングをサポートする分野を指します。これには、月経サポートアプリ、妊娠や出産に関する情報提供、セクシャルウェルネス用デバイス、ストレス管理のアプリ、良質な睡眠をサポートするテクノロジーなどが含まれます。フェムテックは、女性の生活をより便利で健康的にするためにテクノロジーを活用する革新的なサービスを提供します。
高まる女性の健康意識
フェムケアやフェムテックなどの言葉が頻繁に聞かれるようになった背景には、社会において女性活躍が推進されるようになったことがあります。日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位（2023年）であり、女性の労働力に対する評価もいまだ低いもの。しかしこれからの近い未来に女性がもっともっと活躍できる社会を作るためにはどうしたらいいのか。その課題に対するひとつの解決策として女性の健康に注目が集まっているのです。女性がイキイキと健康的にいられること自体が経済活動へ貢献することは科学的にも明らかになっており 、女性の健康状態は職場でのパフォーマンスにも影響を及ぼすと示唆されています。健康であることが仕事上の機能を果たす上でも重要な要素となるのです。
女性特有の健康課題って？
女性はホルモンバランスなどの生理的な変化や、特有の健康課題に直面することがあります。これらの課題には、月経不順、不妊や妊娠、更年期、セクシャルウェルネス、自律神経不調によるホルモンバランスの変化、骨密度の低下、心理的なストレスなどが含まれ、定期的な医療チェックや適切な管理、仕事との両立が必要になる場合があります。
また特に女性はライフステージや周期に合わせたホルモンバランスの変化に悩まされることがあります。女性特有の不調には身体的負担や精神的ストレスも伴うことが多く、仕事と家庭の両方で多くタスクを抱えながらこういった不調や負担への対策をないがしろにして長期的に放置してしまうと、健康に悪影響を及ぼす可能性は高くなってしまうのです。
会社に女性の健康支援を取り入れるメリット
女性の活躍が期待される社会では、会社が女性特有の健康課題に対応するメリットは多岐にわたります。
人材と才能の確保
女性が働きやすい職場は、必然的に誰にとっても働きやすい職場環境となり、優れた人材が組織に留まりやすくなります。女性の離職理由として、健康的な問題が挙げられることも少なくありません。才能ある人材が長く働ける職場環境を整備することで、長期的な目線においても従業員と会社の両方に良い成果をもたらしてくれるでしょう。
ジェンダー平等の実現
女性の健康支援はジェンダー平等を実現するための一環として位置付けることができます。男性と同じようにキャリアを追求し、職場でリーダーシップの役割を果たす機会を作ることはジェンダー平等の推進に不可欠です。企業における女性管理職の割合も未だ日本は低い値となっています。健康支援をきっかけに、女性のキャリアを支援する環境を構築することにも繋がります。
イノベーションとクリエイティビティの促進
ジェンダー多様な環境は様々な新しい視点が生まれやすくなり、イノベーションとクリエイティビティを促進します。女性の健康支援が積極的に行われる環境では、女性が自分の最高のパフォーマンスを発揮できるため、新しいアイデアや戦略が生まれやすくなります。ヘルスリテラシーが高い女性はそうでない女性に比べて仕事のパフォーマンスが高いこともわかっており、提案や生産性の側面においても会社や社会への貢献を期待することができます。
社会的責任の追求
これは女性のみならずといったところですが、健康支援を提供することは企業が社会や自社を取り巻く環境への配慮を十分に行い、責任ある行動をとること＝企業の社会的責任（CSR）の一環として位置づけることができます。SDGsなどをはじめ、これからは企業の社会的な責任がさらに求められています。同じように人材に対してポジティブな取り組みを経営的な視点で実行することは、社会的に求められることになりつつあるのです。
どのような取り組みが効果的なの？
では女性の健康をサポートするために、企業はどのような取り組みを行えば効果的なのでしょうか？以下に、具体的なアプローチを紹介します。
フレキシブルな労働環境の提供
女性は家庭と仕事の両立が課題となることがあります。フレキシブルな労働環境や育児支援策を提供することで、女性がキャリアを継続しながら健康的なバランスを取りやすくなります。休暇の整備や（生理休暇や妊活休暇、健診受診の為の休暇、子どもの看護休暇、親の介護休暇など）時差出勤や時短勤務、仕事時間のフレックス制導入、女性のみならず男性の育児休業取得などの男性の育児参加を促す取り組みも効果的です。
ウェルネスプログラムやフェムテックの導入
女性の健康促進のために、ウェルネスプログラムや最新のテクノロジーを利用したフェムテックを導入しましょう。職場でできる運動機会の提供、運動プログラムの提案、栄養指導、ストレス管理のトレーニングなどが含まれ、女性従業員が健康的な生活習慣を築けるよう支援します。女性の健康をサポートするフェムテック製品や生理トラッキングアプリ、ストレス管理ツールなども健康管理に役立ちます。
教育と啓発活動
従業員に対して女性特有の健康課題について教育し、啓発と疾病予防活動を行いましょう。女性の健康課題に対して実際に取り組みを行っている企業は、まだ少ないのが現在の状況です。職場でヘルスケアの実践・教育の機会を設けることによって職場全体のヘルスリテラシーを高めることができ、社会的な健康格差の解消にも繋がります。健康に関する意識を高めることで、将来的な病気の予防にも繋がり、人材が長く働けることに繋がります。
健康相談窓口の設置
女性従業員が健康に関する悩みや質問を気軽に相談できる仕組みを提供しましょう。個人の健康状態は個別性があり一人一人異なるものです。専門性の高い専門家のアドバイスや情報提供が必要な場面があります。また女性の健康相談窓口を設置することは、男性職員にもメリットがあります。男性管理職が女性従業員のサポートをどうしたら良いか迷うケースも多々あります。そういった場面で相談できる窓口があることは組織全体の従業員満足度を高めることに繋がります。
女性は平均寿命が男性よりも長い傾向にあるため、健康寿命の延伸に向けて健康を管理することも重要なことです。健康な生活習慣を実践して予防医療に焦点を当てることは、いつまでも元気で充実した生活を送るための将来の健康に対する投資とも言われています。
フェムケアとフェムテックは、女性の健康とウェルビーイングを支援するための素晴らしい取り組みです。会社に女性支援を取り入れることは、会社にとっても素晴らしい成果につながることでしょう。
メディワークでは女性特有の健康課題に対するケア（フェムケア・フェムテック）も取り入れています。病院や産婦人科でサポート経験のある医学的知識を持った専門の女性スタッフがサポートしますので、安心してご相談いただけます。女性のためのヘルスケア研修もご用意しておりますので、興味があればご相談ください。
