ストレスチェックの義務化に向けて、企業の担当者様から次のようなご相談をいただくことがあります。
- ストレスチェックは何をすればよいのか
- どこまで会社で準備しないといけないのか
- 誰に頼めばよいのか
- 外部業者を選ぶときに何を見ればよいのか
- 高ストレス者が出た場合、会社はどう対応すればよいのか
特に、これまでストレスチェックを実施したことがない企業にとっては、制度の全体像がわかりにくく、不安を感じやすいところです。
この記事では、ストレスチェック義務化に向けて企業が知っておきたい基本を、Q&A形式でわかりやすく解説します。
Q1. ストレスチェックとは何ですか?
ストレスチェックとは、従業員が自分のストレス状態に気づき、メンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的とした検査です。
従業員が質問票に回答し、その結果を本人に返却することで、自分のストレス状態や心身の負担に気づくきっかけになります。
また、一定の条件に該当した高ストレス者については、本人の申し出により医師による面接指導につなげる仕組みがあります。
ストレスチェックは、単なるアンケートではありません。従業員の不調予防と、働きやすい職場環境づくりのための制度です。
Q2. ストレスチェックはどの企業に必要ですか?
これまでストレスチェックは、常時50人以上の労働者を使用する事業場で年1回の実施が義務づけられていました。
一方、労働者数50人未満の事業場については、これまで努力義務とされていました。
しかし、法改正により、令和10年4月から50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務化されます。
そのため、これまでストレスチェックを行っていなかった小規模事業場でも、早めに準備を進めておくことが大切です。
Q3. 何をすれば「ストレスチェックを実施した」といえるのですか?
ストレスチェックは、質問票を配って回収すれば終わり、というものではありません。
基本的には、次のような流れで実施します。
- 実施体制を決める
- 実施者を選ぶ
- 対象者や実施時期を決める
- 従業員に説明する
- ストレスチェックを実施する
- 結果を本人に通知する
- 高ストレス者への対応を行う
- 必要に応じて集団分析を行う
- 職場環境改善につなげる
大切なのは、従業員が安心して受けられる体制を整えることです。
結果の取り扱いや個人情報の管理が不十分だと、従業員が正直に回答しにくくなります。
Q4. ストレスチェックは誰が実施するのですか?
ストレスチェックには、「実施者」という役割があります。
実施者は、ストレスチェックの結果を評価し、必要な対応につなげる専門的な役割を担います。
医師、保健師、一定の研修を受けた精神保健福祉士、公認心理師などが実施者になることができます。
企業の人事担当者だけで、ストレスチェックの結果を自由に見たり、判断したりするものではありません。
特にメンタルヘルスに関する情報は繊細な個人情報であるため、専門職が関与する体制づくりが重要です。
Q5. 人事担当者や社長は結果を見ることができますか?
原則として、本人の同意なく、事業者や人事担当者が個人のストレスチェック結果を見ることはできません。
ストレスチェックは、従業員が安心して回答できることが前提です。
もし「会社に結果を見られるのではないか」と不安があると、従業員は本音で回答しにくくなります。
そのため、個人結果の取り扱いについては、事前に従業員へわかりやすく説明しておく必要があります。
Q6. 高ストレス者が出たら、会社は何をすればよいですか?
ストレスチェックの結果、高ストレス者に該当する従業員がいた場合、本人に結果を通知します。
そのうえで、本人が希望した場合には、医師による面接指導につなげます。
企業は、面接指導の申し出があった場合、必要な対応を行う必要があります。
ただし、高ストレス者であることを理由に、不利益な取り扱いをしてはいけません。
また、本人が面接指導を希望しない場合でも、相談窓口や外部相談先の案内、セルフケア情報の提供など、心理的な負担に配慮した支援体制を整えておくことが望まれます。
Q7. 50人未満の事業場でも、労働基準監督署への報告が必要ですか?
現時点では、ストレスチェック結果の労働基準監督署への報告は、労働者数50人以上の事業場に義務づけられています。
労働者数50人未満の事業場については、報告は不要とされています。
ただし、制度の運用や今後の詳細については、最新の情報を確認しながら対応することが大切です。
Q8. ストレスチェックは自社でできますか?外部委託した方がよいですか?
ストレスチェックは、自社で体制を整えて実施することも可能です。
ただし、実施者の選定、個人情報管理、高ストレス者対応、結果の保存、従業員への説明など、注意すべき点が多くあります。
特に初めて実施する企業では、外部の専門家や業者に委託することで、担当者の負担を減らし、従業員が安心して受けられる体制を整えやすくなります。
外部委託をする場合でも、企業側が制度を理解し、実施方針を決めることは必要です。
「やって終わり」ではなく、自社の職場改善につなげる視点を持つことが重要です。
Q9. 業者を選ぶときは、何を見ればよいですか?
ストレスチェックの外部委託先を選ぶときは、価格だけで判断しないことが大切です。
特に確認したいポイントは、次の通りです。
- 実施者として関与できる専門職がいるか
- 個人情報の管理体制が整っているか
- 従業員への説明資料がわかりやすいか
- 高ストレス者への対応について相談できるか
- 集団分析や職場改善の提案まで対応できるか
- 企業規模や業種に合わせて柔軟に対応できるか
- 実施後に「結果をどう活かすか」まで相談できるか
安価に実施できるサービスもありますが、ストレスチェックは実施して終わりではありません。
結果を職場改善やメンタルヘルス対策につなげられるかどうかが、業者選びの重要なポイントです。
Q10. ストレスチェックだけ実施すれば十分ですか?
ストレスチェックは、メンタルヘルス対策の入り口です。
実施することで、従業員のストレス状態や職場の傾向を把握することはできます。
しかし、ストレスチェックを行っただけで、職場の課題が自然に解決するわけではありません。
大切なのは、結果をもとに、職場環境改善や管理職研修、相談体制づくりにつなげることです。
たとえば、集団分析から「上司のサポート」「仕事量の負担」「職場のコミュニケーション」などの課題が見える場合があります。
その場合は、管理職向けのラインケア研修や、従業員向けのセルフケア研修、ハラスメント防止研修などと組み合わせることで、より実効性のある取り組みになります。
Q11. 初めての企業は、まず何から始めればよいですか?
初めてストレスチェックを導入する企業は、いきなり細かい制度設計から始めるよりも、まず全体像を整理することが大切です。
最初に確認したいのは、次の5つです。
- 対象となる従業員数
- 実施時期
- 実施者を誰にするか
- 外部委託する範囲
- 高ストレス者が出た場合の対応ルート
この5つを整理するだけでも、準備すべきことが見えやすくなります。
また、従業員に対しては、「何のために実施するのか」「結果は誰が見るのか」「会社にどこまで共有されるのか」を丁寧に説明することが重要です。
Q12. 公認心理師に相談するメリットはありますか?
公認心理師は、心理支援に関する国家資格です。
ストレスチェックの結果を単なる数値として見るのではなく、従業員の心理的負担、職場環境、人間関係、管理職の関わり方などを含めて考えることができます。
また、ストレスチェック後に必要となる心理面談、管理職向けラインケア研修、職場改善の助言などにつなげやすい点もメリットです。
特に中小企業では、社内だけでメンタルヘルス対応を抱え込むことが難しい場合があります。
外部の専門職に相談することで、担当者の負担を減らしながら、従業員にとっても相談しやすい体制を整えやすくなります。
メディワークで対応できること
メディワークでは、長崎県を中心に、企業のストレスチェック実施支援、メンタルヘルス対策、管理職研修、心理面談、健康経営支援を行っています。(オンラインでの全国対応も可)
公認心理師・産業カウンセラー・理学療法士・第一種衛生管理者の専門性を活かし、心理面・身体面・労働衛生の視点から、企業の職場環境づくりをサポートしています。
対応できる内容の一例は、以下の通りです。
- ストレスチェック導入の相談
- 実施体制づくりの支援
- 従業員向け説明文の作成支援
- 高ストレス者対応の相談
- 心理面談
- 管理職向けラインケア研修
- ストレスチェック後の職場改善支援
- 健康経営支援
「ストレスチェックを始めたいが、何から準備すればよいかわからない」
「どこまで自社で行い、どこから外部委託すればよいか迷っている」
「結果を職場改善や健康経営につなげたい」
このようなお悩みがありましたら、メディワークまでお気軽にご相談ください。
まとめ
ストレスチェックは、企業にとって法令対応であると同時に、従業員のメンタルヘルス不調を予防し、安心して働ける職場づくりにつなげるための重要な取り組みです。
初めて導入する企業では、「何をすればよいのか」「誰に頼めばよいのか」「どこまで対応が必要なのか」と迷うことも多いでしょう。
まずは、対象者、実施時期、実施者、外部委託の範囲、高ストレス者対応の流れを整理することから始めることをおすすめします。
ストレスチェックを実施して終わりにせず、職場改善や管理職研修、相談体制づくりにつなげることで、企業のメンタルヘルス対策としてより意味のある取り組みになります。